050番号では110番も119番もかけられない。何が起きるか、どう備えるか
クラウドPBXの多くは、新しく050で始まる番号を発行して始めます。安く、早く、機器も要りません。 ただし知っておかなければならないことがひとつあります。050番号からは、110番・118番・119番などの緊急通報がかけられません。
これはサービスの良し悪しではなく、050番号という仕組みそのものの制約です。 どの事業者を選んでも同じで、オプションで追加することもできません。
なぜかけられないのか
緊急通報は、かけた人がどこにいるかが分かって初めて成り立ちます。 119番なら、消防は発信場所を手がかりに現場へ向かいます。固定電話は契約した住所と番号が結びついているので、 受け手側に設置場所が伝わります。
050番号はインターネット上の番号で、特定の住所に紐づいていません。 事務所のWi-Fiからかけても、出先の携帯回線からかけても同じ番号で発信できます。これは便利さの裏返しで、 受け手が発信場所を特定できないということでもあります。そのため緊急通報の対象から外されています。
| 番号の種類 | 例 | 緊急通報 |
|---|---|---|
| 0AB-J番号(固定電話) | 03、042、06 など | かけられる |
| 携帯電話 | 090、080、070 | かけられる |
| 050番号(IP電話) | 050 | かけられない |
実際に何が起きるか
問題は、普段は何も起きないことです。日常の業務でこの制約に気づく機会はありません。 気づくのは、必要になったその瞬間です。
たとえば、固定電話をすべて050番号のクラウドPBXに置き換え、卓上の電話機を撤去したとします。 事務所から固定電話がなくなり、社員は会社の電話をスマートフォンのアプリで使っています。 そこで来客が倒れた、給湯室から出火した――そのとき、手元のアプリからは119番がかけられません。
実際には社員の個人の携帯からかけることになります。それで用は足ります。 ただ、それを知らないまま「会社の電話でかければいい」と思っている状態が危ないのです。 数秒の迷いが生まれます。
会社として取れる備え
① 0AB-J番号を1本残す
いちばん確実な方法です。事務所の固定電話(ひかり電話など)を1回線だけ残し、 受付や事務所の分かりやすい場所に1台だけ電話機を置いておきます。緊急通報の経路が確保され、 停電やインターネット障害のときの連絡手段にもなります。
② そもそも050にしない
いまのひかり電話をそのまま活かしてクラウド化する方式なら、番号は0AB-Jのままです。 緊急通報も従来どおり使えます。番号も変わりません。詳しくはひかり電話を番号そのままクラウド化する方法 をご覧ください。
③ 全員に周知し、掲示しておく
どの形を選ぶにしても、これは必ずやってください。「緊急時は個人の携帯から110番・119番」と決めて、事務所に掲示しておきます。 新しく入った人にも伝わるように、電話の使い方の説明に含めておくのが確実です。
消防法・労働安全衛生法の観点:緊急通報の手段を備えること自体を直接義務づける条文はありませんが、 事業者には従業員の安全を確保する責務があります。 固定電話を撤去する判断をするときは、代替手段を決めて周知するところまでを1セットで考えてください。
見積もりを取るときに聞くこと
- 提案されている番号は050ですか、それとも0AB-J(03・042など)ですか
- 050の場合、110番・119番はどうすればよいと考えていますか
- いまの固定電話を残す場合、月額はいくら増えますか
- 停電やインターネット障害のとき、着信はどうなりますか
4つ目まで聞いておくと安心です。緊急通報と停電時の動作は別の話で、どちらも「普段は起きないが、起きたときに困る」ことです。
当社の場合
「050Air」は新しい050番号で始める形なので、緊急通報はご利用いただけません。 料金ページにもそのまま書いています。固定電話をお持ちでない場合はご注意ください、とご案内しています。
「光Bridge」はいまのひかり電話をそのまま使うので、110番・119番はこれまでどおりです。 どちらが向いているかは、いまの電話環境と、事務所に人がいる時間帯によって変わります。ご相談は無料です。