ひかり電話を番号そのままクラウド化する。番号ポータビリティを使わない方法
クラウドPBXを検討すると、まず心配になるのが電話番号です。名刺にも看板にもホームページにも載っている番号を変えるわけにはいきません。 調べていくと「番号ポータビリティ(LNP)で引き継げます」という説明にたどり着きますが、番号を引き継ぐ方法はもうひとつあります。 そちらのほうが、条件によってはずっと簡単です。
電話番号の引き継ぎには2つのやり方がある
クラウドPBXに移るとき、いまの番号を使い続ける方法は大きく2つに分かれます。
| やり方 | 何をするか | NTTとの契約 |
|---|---|---|
| 番号ポータビリティ | 番号をクラウドPBX事業者へ移す手続きをする | 解約して事業者を変える |
| ゲートウェイで収容する | いまのひかり電話をそのまま使い、クラウドのPBXにつなぐ | そのまま。何も変えない |
前者は番号の持ち主を移す手続きです。後者は番号を移さないやり方で、いまのひかり電話の契約はNTT東日本・西日本のまま残します。 そのうえで、オフィスに小さなVPN機器を1台置き、ひかり電話の回線とクラウド上のPBXをつなぎます。 外から見れば今までどおりの電話番号ですが、その裏側にクラウドの機能が入る、という形です。
収容するやり方は、ここが違う
番号が止まる時間がない
番号ポータビリティは、番号の管理が事業者間で移ります。工事日には切り替えの時間が発生し、 その間は電話がつながらない、あるいは片方向しかつながらない時間が出ることがあります。事前に取引先へ案内が必要になる場合もあります。
収容するやり方では、番号の持ち主が変わりません。切り替え当日も番号は生きたままで、 クラウド側の準備が整ってから受け先を切り替えます。電話が鳴らない時間を作らずに移行できます。
FAXがそのまま使える
FAXは、クラウドPBXへの移行でいちばん引っかかるところです。音声をインターネット経由で運ぶ仕組みとFAXの信号は相性が悪く、 「FAXだけ別の回線を残す」「インターネットFAXに乗り換える」といった追加の判断を迫られることが多くあります。
ひかり電話をそのまま使うなら、FAXもこれまでどおりです。FAX機の配線を変える必要もありません。
110番・119番がかけられる
新しい050番号で始めるタイプのサービスは、110番・118番・119番などの緊急通報がかけられません。 ひかり電話は0AB-J番号(03や042などで始まる番号)なので、緊急通報がそのまま使えます。 詳しくは 050番号では110番も119番もかけられない にまとめました。
いまのビジネスフォンを捨てなくていい
主装置(ビジネスフォンの本体)とクラウドは、どちらか一方を選ばなければならないものではありません。 ひかり電話ルータには複数の端末をつなげるので、番号ごと・内線ごとに少しずつ移すことができます。 「まず営業部だけスマートフォンにして、様子を見てから事務所も移す」といった進め方が可能です。
この方法を選べる条件
いいことばかりではありません。次の条件を満たしているかどうかで、選べるかが決まります。
- ひかり電話を契約していること。 アナログ回線(加入電話)だけの場合は、先にひかり電話への切り替えが必要です
- ひかり電話ルータ(NTTのVoIPゲートウェイ)に収容されていること。 ビジネスフォンが回線を直接受けている構成の場合は、ルータを経由する形への変更が要ります
- オフィスに常時接続のインターネット回線(PPPoE接続)があること。 クラウドとの間をVPNで結ぶために使います。IPoE接続(v6プラス等)だけの回線や、フレッツ光クロス・NURO光などは原則対象外で、この方法ではなく050番号での導入をご案内しています
- オフィスに機器を1台置けること。 VPN機器はティッシュ箱ほどの大きさです
逆に、こういう場合は新しい050番号のほうが向いています。オフィスに機器を置きたくない、拠点を持たない、番号にこだわりがない、まず試してみたい―― こうしたご要望には、機器の設置が要らず短期間で始められる形をご用意しています。
オフィスが停電したらどうなるか
この方式の弱点も書いておきます。ひかり電話とVPN機器を経由するので、オフィスが停電したり、インターネット回線が切れている間は着信できません。 「クラウドだから事務所が止まっても大丈夫」とはなりません。
そのため、あらかじめ「つながらないときは携帯電話へ転送する」設定を用意しておくのが基本です。 当社の場合は、VPNの経路とひかり電話ルータへの登録状態を常時監視していて、異常を検知した時点で復旧作業に入ります。 こうした備えがあるかどうかは、どのサービスを選ぶにしても確認しておいたほうがよいところです。
まとめ
- 番号を引き継ぐ方法は、番号ポータビリティだけではない
- ひかり電話をそのまま収容すれば、NTTとの契約も番号も変えず、切り替え当日も番号が止まらない
- FAXも、110番・119番も、いまのビジネスフォンも残せる
- 条件はひかり電話であること、ルータに収容されていること、インターネット回線(PPPoE接続)と設置場所があること
- オフィスの停電・回線障害の間は着信できないので、転送の備えと監視が要る
いまの構成で使えるかどうかは、ひかり電話の契約内容とビジネスフォンの型番が分かれば調べられます。 分からない場合も、請求書や機器の写真からこちらで判断できますので、お気軽にご相談ください。